漫画家として活躍しながら、音楽活動も行い、さらには主夫として家庭も守る――。そんな多彩な活動を展開する劔樹人さんに、多くの人が興味を持っています。特に、自身の青春時代や日常生活を等身大で描く作風は、多くの読者の共感を呼んでいます。
しかし、これだけ多岐にわたる活動をしている劔樹人さんの全容を知る人は意外と少ないのではないでしょうか。 代表作『あの頃。男子かしまし物語』は松坂桃李さん主演で映画化され、音楽面では「あらかじめ決められた恋人たちへ」のベーシストとして活動。さらに作家の犬山紙子さんとの結婚後は主夫として家庭を守りながら、その日常をエッセイ漫画として発表し続けています。
本記事では、漫画家、音楽家、主夫という3つの顔を持つ劔樹人さんの人物像や作品、音楽活動、家族との暮らしまでを詳しく解説します。 「主夫の友アワード2018」受賞者であり、クリエイターとしても家庭人としても充実した生活を送る劔樹人さんの多面的な魅力が、この記事を通じて伝わることでしょう。
劔樹人ってどんな人?
劔樹人(つるぎみきと)さんは、漫画家、音楽家、主夫という3つの顔を持つマルチクリエイターとして知られています。その多彩な活動は、クリエイティブな表現者としての側面と、家庭を大切にする一面を兼ね備えた現代的な生き方を体現しています。
特に2010年代以降、自身の主夫経験を題材にしたエッセイ漫画が共感を呼び、新しい家族の形を提示する存在として注目を集めています。
漫画家で音楽家、主夫の3足のわらじ
劔樹人さんの特徴は、3つの異なる分野で活躍するマルチな才能にあります。
漫画家としては、自身の経験や日常生活を題材にした作品を多く手がけており、リアリティのある描写と共感を呼ぶストーリー展開が特徴です。
音楽家としては、ベーシストとして活動し、複数のバンドでの演奏や音楽制作に携わっています。
そして、主夫としては家事や育児に積極的に取り組み、その経験を漫画作品として昇華させることで、現代の家族の在り方に新しい視点を提供しています。
新潟県出身、大阪市立大学卒
劔樹人さんは新潟県の出身で、大阪市立大学を卒業しています。地方出身ながら、大阪という大都市で学生生活を送った経験は、彼の創作活動に幅広い視点をもたらしています。
大学時代から音楽活動を始め、同時に漫画制作にも取り組んでいたことは、後の多彩な活動の基礎となっています。都会での生活経験と地方出身者としての感性が、作品に独特の味わいを与えている要因の一つと考えられています。
1979年5月7日生まれの43歳
1979年5月7日生まれの劔樹人さんは、1970年代後半生まれの世代に属します。この世代は、バブル期を子供時代に経験し、その後の「失われた20年」と呼ばれる時期に青春期を過ごしています。
この時代背景は、彼の作品に描かれる人間関係や価値観に大きな影響を与えています。特に、従来の性別役割分担にとらわれない生き方を選択し、それを作品として発信している点は、同世代の共感を集めています。
デビュー以降、時代の変化とともに自身のスタイルを確立し、漫画家、音楽家、主夫という複数の役割を両立させながら、独自の表現活動を展開しています。
劔樹人の漫画はどんな作品がある?
『あの頃。男子かしまし物語』が代表作
劔樹人さんの代表作として知られる『あの頃。男子かしまし物語』は、1990年代後半の高校生活を舞台にした青春漫画です。
本作は、主人公の高校生活における友情や恋愛、音楽活動などを丁寧に描いており、90年代を過ごした読者から強い共感を得ています。特に、当時流行していたバンドカルチャーや、高校生の等身大の悩みが細かく描かれている点が特徴です。
作品内では、実在したライブハウスや当時の音楽シーンが登場し、90年代後半の青春を過ごした読者にとって、懐かしさを感じられる要素が随所に散りばめられています。
松坂桃李主演で映画化
『あの頃。男子かしまし物語』は2022年に実写映画化され、主演に松坂桃李さんを迎えて話題を呼びました。
映画では、原作の持つ90年代後半という時代性を大切にしながら、現代の観客にも響く普遍的な青春ストーリーとして再構築されています。
撮影は新潟県で行われ、90年代当時の風景や小物にもこだわって製作されました。松坂桃李さんの演技も高く評価され、漫画のファンからも好評を得ています。
主夫生活を描いたエッセイ漫画が人気
劔樹人さんは自身の主夫生活をテーマにしたエッセイ漫画も多く手がけています。
『主夫と生活』シリーズでは、家事や育児に奮闘する日常が等身大に描かれており、性別を問わず多くの読者から支持を得ています。特に、家事の具体的なコツや失敗談なども織り交ぜながら、リアルな主夫生活を伝えている点が特徴です。
作中では、仕事と家事の両立における苦労や喜び、家族との触れ合いなど、現代の家族の形を考えさせる内容も含まれています。
青春時代を描いた作品多数
劔樹人さんは青春時代を題材にした作品を多く手がけており、90年代の若者文化を独自の視点で描き続けています。
『青春オデッセイ』シリーズでは、バンド活動に打ち込む若者たちの姿を描き、音楽への情熱や友情、恋愛など、青春期特有の感情を繊細に表現しています。
また、学生時代の思い出や失敗談をユーモアを交えて描く短編作品も多く、読者から「自分の経験と重なる」という声が寄せられています。世代を超えて共感できる青春の普遍的な価値を伝えています。
劔樹人の音楽活動って何してるの?
劔樹人さんは、漫画家としての活動だけでなく、音楽活動でも豊富な経験を持つマルチクリエイターです。2000年代からインディーズシーンで活動を続け、複数のバンドでベーシストやマネージャーとして活躍しています。
音楽活動を通じて培った経験や人脈は、彼の漫画作品にも影響を与えており、音楽をテーマにした作品も手掛けています。
「あらかじめ決められた恋人たちへ」のベーシスト
劔樹人さんは、インディーズシーンで人気を博したバンド「あらかじめ決められた恋人たちへ」でベーシストとして活動していました。このバンドは、独特な歌詞とメロディーで注目を集め、インディーズファンの間で高い評価を得ていました。
バンドのライブ活動を通じて、劔さんは音楽シーンでの知名度を高め、同時に音楽家としての技術も磨いていきました。
「イデストロイド」を結成
劔樹人さんは自身のバンド「イデストロイド」を結成し、より自由な音楽表現を追求しました。バンドではベーシストとして演奏だけでなく、楽曲制作にも携わっていました。
イデストロイドの音楽性は実験的な要素が強く、従来のロックバンドの枠にとらわれない独自のサウンドを追求していました。このバンド活動を通じて、劔さんは音楽家としての創造性をさらに発展させていきました。
「神聖かまってちゃん」のマネージャーを担当
劔樹人さんは、人気バンド「神聖かまってちゃん」のマネージャーとしても活動していました。アーティストとしてだけでなく、音楽ビジネスの側面からも音楽シーンに関わることで、より広い視野を持つことができました。
マネージャーとしての経験は、音楽業界の仕組みや裏側への深い理解につながり、後の漫画制作にも活かされています。
2000年から音楽活動を開始
劔樹人さんは2000年から本格的な音楽活動を開始し、20年以上にわたって音楽シーンで活動を続けています。大学時代から音楽活動を始め、インディーズシーンを中心に精力的に活動してきました。
この長年の音楽活動を通じて、劔さんは多くのミュージシャンとの交流を深め、音楽シーンならではの人間関係や経験を積み重ねてきました。これらの経験は、彼の創作活動全般に大きな影響を与えています。
音楽活動と漫画家としての活動を両立させることで、より多角的な視点から創作活動に取り組むことができています。
劔樹人の結婚相手は?
劔樹人さんは、2014年にライターとして活躍する犬山紙子さんと結婚しました。二人は共に創作活動を行うクリエイターとして、お互いの仕事を理解し合いながら、独自のワークライフバランスを築いています。
犬山紙子と2014年に結婚
犬山紙子さんは、「主婦の友」などの女性誌で活躍するライターです。2014年に劔樹人さんと結婚し、以来、二人は創作活動と家庭生活を両立させています。
犬山紙子さんは「余白の多い生き方」「ゆるく幸せな主婦になる方法」などの著書を持つ人気ライターで、SNSでも多くのフォロワーを持っています。二人の出会いは共通の知人を介してであり、お互いの創作活動への理解と尊重が、結婚を決意するきっかけになったと言われています。
婚姻後も、二人はそれぞれの創作活動を継続しながら、互いの仕事を支え合う関係を築いています。
2017年に第一子誕生
2017年、劔樹人さんと犬山紙子さんの間に第一子が誕生しました。主夫として家事と育児を担当する決断をします。
この経験は、後の漫画作品にも大きな影響を与えることとなり、育児や家事の日常を題材とした作品が多く生まれることになります。子育ての喜びや苦労、家族との時間の大切さなどを、独自の視点で描き続けています。
主夫として家庭を支える
劔樹人さんは、妻の犬山紙子さんの仕事を支えるため、主夫として家庭を切り盛りしています。家事全般を担当し、育児にも積極的に関わる姿勢は、現代の新しい家族の形を示すものとして注目を集めています。
日々の家事や育児の合間を縫って創作活動を行い、効率的な時間管理と工夫を重ねることで、クリエイターとしての活動も継続しています。この独自のライフスタイルは、多くの読者から共感を得ています。
夫婦の日常を漫画で公開
劔樹人さんは、主夫としての日常生活や夫婦のエピソードを漫画化し、SNSなどで公開しています。等身大の夫婦生活を描いた作品は、現代の家族の在り方や、男女の役割分担について考えるきっかけを提供しています。
作品には、家事や育児の具体的なエピソード、夫婦間のコミュニケーション、日々の発見や気づきなどが描かれており、多くの読者から支持を得ています。主夫という立場からの視点は、従来の家族観に新しい価値観を提示するものとして評価されています。
劔樹人の受賞歴は?
主夫の友アワード2018で受賞
劔樹人さんは、2018年に「主夫の友アワード」を受賞しています。主夫の活動や表現活動を通じて、新しい家族のあり方や生き方を提案した人物に贈られる賞として知られています。
劔樹人さんは、自身の主夫経験をもとにした漫画『主夫の友』や『主夫になりたい』などを通じて、家事や育児に奮闘する主夫の姿を等身大で描いてきました。
特に、家事の具体的なノウハウや育児の悩み、家族との関係性など、リアルな主夫生活の様子を描写した点が、多くの読者から共感を得ることにつながったと考えられます。
家庭生活の描写が評価される
劔樹人さんの作品が高い評価を受けている理由として、以下のような特徴が挙げられます。
- 具体的な家事のテクニックや時間配分など、実践的な情報を提供している点
- 主夫という立場ならではの視点から、家事や育児の課題を描いている点
- 夫婦間のコミュニケーションや役割分担について、建設的な提案をしている点
- ユーモアを交えながらも、真摯に家庭生活と向き合う姿勢を表現している点
これらの描写は、単なるエンターテインメントとしてだけでなく、現代の家族のあり方や、ワークライフバランスについて考えるきっかけを提供しているとして、社会的な意義も認められています。
また、主夫という立場から見た家庭生活の課題や喜びを描くことで、性別を問わず多くの読者に新しい気づきを与えており、これも評価のポイントとなっています。