M-1グランプリ2024で初の決勝進出を果たしたエバース。その実力と個性的な漫才スタイルに、多くの観客が魅了されています。テレビやYouTubeでも注目を集め、「今後ブレイクする芸人」として期待が高まっています。
しかし、エバースがここまでの道のりは決して平坦ではありませんでした。2015年の結成以来、地道な活動を続けながら、独自の漫才スタイルを磨き上げてきました。 NHK新人お笑い大賞での大賞獲得やツギクル芸人グランプリでの上位入賞など、実力は各方面で高く評価されています。
本記事では、佐々木さんと町田さんによる「エバース」というコンビの魅力や、彼らの独特な漫才スタイル、そして成長の軌跡を詳しく解説していきます。
エバースってどんなコンビ?
エバースは、NSC大阪校34期生の佐々木駿さんと町田晋太郎さんによって結成されました。
結成から約9年、地道な活動を続けながら実力を磨き続け、2024年には待望のM-1グランプリ決勝進出を果たすなど、今最も注目を集めている若手実力派コンビの一組です。
関西を中心に活動しながら、テレビ番組への出演や、YouTubeでの動画配信など、精力的に活動の場を広げています。特に2024年のNHK新人お笑い大賞での優勝は、その実力の高さを証明する成果となっています。
ボケ担当・佐々木とツッコミの町田
エバースのボケ担当である佐々木駿さんは、1994年生まれの大阪府出身です。独特な発想と理不尽なボケを武器に、観客を笑いの世界へと引き込む才能を持っています。
一方、ツッコミ担当の町田晋太郎さんは、1993年生まれの兵庫県出身です。182cmの長身を活かした立ち姿と、淡々としながらも的確なツッコミが持ち味です。
二人の息の合った掛け合いは、漫才の王道でありながら新しさを感じさせる独特な魅力を持っています。
野球用語がコンビ名の由来
コンビ名の「エバース」は、野球用語の「エバーズ打法」から取られています。この打法は、1950年代にメジャーリーガーのハンク・エバーズ選手が考案した打撃フォームで、投手の投球動作に合わせてステップを踏む特徴的な打法です。
佐々木さんが高校時代に野球部のピッチャーを目指していた経験から、野球にちなんだコンビ名を付けることを提案し、町田さんも快く同意したと言われています。
この名前には、エバーズ打法のように独創的で新しい試みに挑戦していきたいという、二人の意気込みが込められているとされています。コンビ名に込められた想いは、現在の彼らの活動や成長に確実に活かされていると考えられます。
エバースのM-1での成績
2024年に悲願の決勝初進出
エバースは結成から9年目となる2024年、ついにM-1グランプリの決勝進出を果たしました。
予選から3回戦、準決勝と勝ち上がり、3,613組の頂点となる決勝10組に選ばれました。決勝の舞台では「地球儀」というネタを披露し、多くの視聴者の心を掴みました。
結成以来、毎年M-1グランプリに挑戦し続けてきた努力が実を結び、着実に成長してきた軌跡を見せています。
- 2020年:2回戦敗退
- 2021年:3回戦進出
- 2022年:3回戦進出
- 2023年:準決勝進出
- 2024年:決勝進出
この成績の推移からも分かるように、エバースは毎年確実にステップアップを重ねてきました。特に2024年の決勝進出は、漫才師としての実力が認められた証と言えるでしょう。
2023年は準決勝まで進出
2023年のM-1グランプリでは、準決勝まで駒を進めました。この年の準決勝進出は、翌年の決勝進出への重要なステップとなりました。
準決勝では50組の中から戦い抜き、決勝進出まであと一歩というところまで到達。惜しくも決勝進出は叶いませんでしたが、この経験が2024年の決勝進出につながったと考えられます。
準決勝では「カレー」というネタを披露し、佐々木さんの独特な発想と町田さんの絶妙なツッコミが審査員からも高い評価を受けました。
この年の準決勝進出は、エバースの実力が確実に認められ始めた転換点となり、お笑い界での存在感を示す重要な一歩となりました。
エバースの漫才の特徴
シンプルな「しゃべくり漫才」が持ち味
エバースの漫才は、「しゃべくり漫才」と呼ばれる王道のスタイルを基本としています。2人の会話だけで笑いを生み出すスタイルを確立しています。
特徴的なのは、日常的な話題から突如として展開される非現実的な状況設定です。例えば、「コンビニでアイスを買う」という誰もが経験する場面から、突然「店員がアイスクリームを素手で握って渡してきた」といった展開に発展していきます。
また、漫才の展開は以下のような特徴を持っています:
・起承転結が明確で分かりやすい
・1本のネタの中で複数の笑いどころがある
・テンポが良く、間も絶妙
・ドラマチックな展開がある
この王道のスタイルに、独自の世界観を織り交ぜることで、観客を飽きさせない構成となっています。
佐々木の理不尽なボケと町田の淡々としたツッコミ
エバースの漫才の最大の特徴は、佐々木さんの突飛なボケと町田さんの冷静なツッコミの絶妙なバランスにあります。
佐々木さんのボケの特徴:
・突然、常識から外れた発言をする
・理不尽な主張を真顔で展開する
・独特の言い回しや表現を使用する
・感情的になりながらも筋の通った理論を展開する
対する町田さんのツッコミの特徴:
・淡々とした口調でボケに対応する
・常識人の視点で的確なツッコミを入れる
・時には佐々木さんの意見に同調しながら話を展開させる
・182cmの長身を活かした上から目線の態度で対応する
2人の掛け合いは、まるで本当に起きている会話のような自然さがあり、それでいて笑いを誘う展開力を持ち合わせています。観客は、「次はどんな展開になるのだろう」という期待感を持ちながら漫才を楽しむことができます。
また、佐々木さんの主張に対して町田さんが的確なツッコミを入れることで、観客は安心して笑いに没入できる環境が作られています。この安心感と期待感のバランスが、エバースの漫才の魅力となっています。
エバースの受賞歴
2024年NHK新人お笑い大賞で大賞獲得
エバースは2024年1月に放送されたNHK新人お笑い大賞2024で、見事に大賞を獲得しました。この大会は、NHKが主催する新人芸人の登竜門的な大会として知られています。
決勝では「面接」というネタを披露し、佐々木さんの突飛な発想から繰り広げられる理不尽な面接官役と、町田さんの冷静に対応する就活生という設定で会場を沸かせました。
審査員からは「シンプルながらも独自の世界観を持った漫才」「二人の掛け合いが絶妙」といった高評価を得て、優勝を勝ち取りました。
この受賞は、エバースの実力が認められた重要な転機となり、その後のM-1グランプリ2024での活躍にもつながったと考えられます。
ツギクル芸人グランプリで3位入賞
2023年に開催されたツギクル芸人グランプリでは、3位という好成績を収めています。ツギクル芸人グランプリは、次世代を担う若手芸人の発掘を目的とした大会です。
この大会でエバースは「カップラーメン」というネタを披露し、佐々木さんのカップラーメンに対する独特な解釈と、町田さんの冷静なツッコミが審査員の心を掴みました。
特に評価されたのは、日常的な題材を斬新な切り口で描き出す構成力と、テンポの良い掛け合いでした。このグランプリでの入賞は、エバースの実力を業界内外に示す重要な機会となりました。
ABCお笑いグランプリ決勝進出
ABCお笑いグランプリは、関西の放送局ABCテレビが主催する伝統ある若手芸人の登竜門です。エバースはこの大会で決勝まで進出を果たしています。
決勝では「教習所」というネタを披露し、佐々木さんの型破りな発想による教習所の指導員役と、町田さんの冷静な教習生役という設定で観客を魅了しました。
審査員からは「オリジナリティの高いネタ」「二人の息の合った掛け合い」などの評価を受け、若手実力派としての地位を確立する重要な大会となりました。
この決勝進出を通じて、エバースは関西圏でも知名度を上げ、活動の幅を広げることにつながりました。
エバースのメンバーはどんな人?
ボケ担当・佐々木は元野球部のピッチャー志望
佐々木亮介さんは、1991年生まれの大阪府出身のお笑い芸人です。高校時代は野球部でピッチャーを目指していた経歴を持ち、その野球への情熱がコンビ名の由来にもなっています。
NSC大阪校の34期生として芸人の道を志し、在学中から独特な世界観とセンスを持つ芸人として注目を集めてきました。
特筆すべきは、漫才中の予測不可能な展開と独特な間の取り方は、多くの芸人からも高い評価を受けています。
ツッコミ担当・町田は182cmの長身芸人
町田健太さんは、1993年生まれの大阪府出身で、182cmという長身を活かした立ち姿が特徴的な芸人です。NSC大阪校の34期生として佐々木さんと同期であり、落ち着いた雰囲気と的確なツッコミが持ち味です。
長身を活かした安定感のある立ち位置と、淡々としながらも芯の通ったツッコミは、佐々木さんの破天荒なボケを絶妙にフォローしています。温和な性格と冷静沈着な対応は、コンビの安定感を支える重要な要素となっています。
また、コンビでの活動以外にも、その長身と端正な顔立ちを活かした個人での活動の可能性も期待されています。
ネタ作りやYouTubeは佐々木が担当
エバースのネタ作りは主に佐々木さんが担当しており、独特な発想と緻密な構成力を活かした作品作りを行っています。YouTubeチャンネル「エバースの部屋」の企画・運営も佐々木さんが中心となって行っており、漫才とは異なる魅力を発信しています。
ネタ作りにおいては、日常の些細な出来事から独特な発想を展開し、観客を驚かせる展開を得意としています。特に、理不尽さの中にも論理性を感じさせる展開は、佐々木さんならではの特徴です。
YouTubeでの活動では、漫才では見せることのできない素顔や、コンビの息の合った掛け合いを見ることができ、ファンからの支持も高くなっています。また、この活動を通じて若い世代からの支持も着実に広がっています。