女子プロレス史に輝く伝説のレスラー、長与千種さんに憧れを抱く方は多いのではないでしょうか。80年代、クラッシュギャルズとして一世を風靡し、女子プロレス界の黄金期を築き上げた彼女の人生は、波乱に満ちていました。
壮絶な生い立ちから、プロレスラーとしての輝かしいキャリア、そしてダンプ松本さんとの伝説の名勝負まで、長与千種さんの歩んできた道のりには、多くのドラマがありました。 全日本女子プロレスの至宝として、革新的なスタイルで多くの女性ファンを魅了し、今なお第一線で活躍を続ける長与千種さん。
本記事では、彼女の波乱の人生と、女子プロレス界に与えた計り知れない影響力について詳しく解説していきます。 プロレス界の歴史に深く刻まれた彼女の軌跡を知ることで、困難に立ち向かう勇気と情熱を学ぶことができるでしょう。
長与千種が大活躍した若い頃
長与千種さんは、1980年代の女子プロレス界を代表するスター選手として、多くのファンを魅了してきました。17歳でプロレスデビューを果たした長与さんは、その卓越した運動能力と独特の魅力で、瞬く間に注目を集めました。
全日本女子プロレスに所属していた長与さんは、デビュー当初から技術の高さが際立ち、特にドロップキックの美しさは「空中で止まっているように見える」と評されるほどでした。
若手時代から海外遠征も経験し、メキシコやアメリカでの修行を通じて、技術と精神面の両方で大きく成長。その経験は、後の日本女子プロレス界に新しい風を吹き込むきっかけとなりました。
【クラッシュギャルズ】ライオネス飛鳥とのタッグ結成 女性ファンを魅了した革新的なスタイル
1983年、長与千種さんとライオネス飛鳥さんによって結成された「クラッシュギャルズ」は、女子プロレス界に革命を起こしました。従来の女子プロレスのイメージを一新する、スタイリッシュで華麗な試合スタイルは、特に女性ファンの心を掴みました。
2人は、派手な入場や衣装にも工夫を凝らし、プロレスのエンターテインメント性を最大限に引き出しました。当時としては斬新な、ロック音楽を使用した入場や、カラフルなコスチュームは、新しい女子プロレスの形を作り上げました。
クラッシュギャルズの特徴は、技術と魅せる要素の高次元な融合にありました。長与さんの得意技であるジャーマンスープレックスと、飛鳥さんのダイナマイトキックを組み合わせたコンビネーションは、観客を熱狂させる重要な要素となりました。
テレビ放送で人気爆発 女子プロレス界の黄金期を築く
1980年代、テレビ放送での露出増加により、女子プロレスの番組は高視聴率を記録。長与さんたちの試合は、翌日の話題の中心となることも珍しくありませんでした。
メディアへの露出は試合中継だけにとどまらず、バラエティ番組への出演やCM出演など、活動の幅を大きく広げました。長与さんの知名度は一般層にまで浸透し、女子プロレスラーの社会的地位向上にも貢献しました。
この時期、女子プロレスはスポーツとエンターテインメントの両面で黄金期を迎えます。長与さんを筆頭とする選手たちの活躍は、後の世代に大きな影響を与え、日本の女子プロレス界の基盤を築く重要な役割を果たしました。
長与千種とダンプ松本の名勝負
キャリアのターニングポイント 激しい抗争が話題に
長与千種さんとダンプ松本さんの抗争は、1980年代の全日本女子プロレスを代表する歴史的な対立として語り継がれています。
この抗争は1985年から本格化し、両者の対照的なキャラクター性が際立つ展開となりました。長与さんがクラッシュギャルズとして愛されるアイドル的存在だったのに対し、ダンプ松本さんは「悪役レスラーの代名詞」として恐れられる存在でした。
抗争の特徴は以下の点が挙げられます：
・リアルな感情をぶつけ合う激しい試合展開
・場外乱闘や凶器を使用した荒々しい攻防
・インタビューでの痛烈な言葉の応酬
・ファンを二分する明確な善玉vs悪玉の構図
この抗争を通じて、長与さんは「技巧派」から「タフな戦士」へとキャラクターを進化させ、プロレスラーとしての新たな一面を見せることになります。
女子プロレス史に残る伝説の試合 高視聴率を記録した注目の対戦
1985年8月22日、両国国技館で行われた「負けた方が引退」を賭けたシングルマッチは、女子プロレス史に大きな足跡を残す一戦となりました。
この試合の特筆すべき点は以下の通りです：
・会場は超満員の観衆で埋め尽くされる
・テレビ中継では当時の女子プロレス中継としては異例の高い注目を集める
・45分を超える死闘の末、長与さんが勝利
・試合後、ダンプ松本さんは引退を表明
試合内容は、両者の集大成とも言える技の応酬が展開され、観客を魅了しました。特に以下のシーンは、伝説として語り継がれています：
・場外での激しいイス攻撃
・長与さんの得意技である回転エビ固めの決着
・試合後の感動的な和解シーン
この一戦は、女子プロレスの魅力を広く一般に知らしめる記念碑的な試合となり、後のプロレス界に大きな影響を与えました。
この対戦を機に、長与さんは女子プロレスの第一人者としての地位を確立し、その後の黄金期を牽引する存在となっていきます。
長与千種のプロフィール
1964年生まれの元プロレスラー
長与千種さんは、1964年3月28日に長崎県大村市で生まれた日本の元女子プロレスラーです。身長163センチ、リング上での得意技はジャーマンスープレックスホールドやコブラツイストが知られています。
全日本女子プロレスに所属し、クラッシュギャルズのメンバーとして一世を風靡した実力派レスラーです。デビュー当時から持ち前の運動神経と華麗な技の数々で観客を魅了し、1980年代の女子プロレス黄金期を牽引しました。
プロレスラーとしての経歴は、1979年8月にAJW（全日本女子プロレス）でデビュー。その後、数々のタイトルを獲得し、1989年には「WWF女子タッグチャンピオン」も獲得。2017年には「プロレス殿堂」入りを果たすなど、日本の女子プロレス界を代表するレスラーとして高い評価を受けています。
長崎県大村市の出身
長崎県大村市は、長崎県のほぼ中央に位置する人口約9万人の都市です。大村湾に面した自然豊かな地域で、江戸時代には大村藩の城下町として栄えました。
大村市では現在も、長与千種さんを「大村が誇るスポーツ界の偉人」として高く評価しています。市内では長与千種さんの功績を紹介する展示なども行われ、地元の誇りとして認識されています。
プロレスラーになる以前は、地元の大村市立郡中学校に通学。その後、家庭の事情により中退。しかし、この経験が後の彼女の強さと精神力の源となったと言われています。
大村市出身というバックグラウンドは、長与千種さんのプロレスラーとしての活動や人生に大きな影響を与えており、郷土愛の強さは、インタビューなどでも度々語られています。
10歳で父親が巨額の借金 親戚を転々とする生活
長与千種さんの幼少期は、決して平坦な道のりではありませんでした。10歳という多感な時期に、父親の借金問題が発覚し、家族の生活は一変することになります。
それまで普通の家庭生活を送っていた長与さんでしたが、父親の借金により、安定した生活基盤を失うことになります。家族は生活の立て直しを迫られ、親戚の家を転々とする日々が始まりました。
この経験は、幼い長与さんに大きな影響を与えることになります。親戚の家を転々とする不安定な生活の中で、この困難な経験が後の長与さんの強さの源になったと考えられています。
中学時代は不登校に
家庭環境の変化は、長与さんの学校生活にも大きな影響を及ぼしました。中学時代、長与さんは不登校の状態に陥ります。
不安定な家庭環境や、周囲との関係に悩み、教室に足を運ぶことができない日々が続きました。この時期の長与さんは、将来への不安や自己否定的な感情と向き合うことを余儀なくされました。
しかし、この苦しい経験は、後に長与さんがプロレスラーとして多くのファンに勇気を与える存在となる上で、重要な糧となりました。
空手との出会いが転機に
長与さんの人生における大きな転機となったのが、空手道場に足を運んだことが、人生を変えるきっかけとなりました。
空手の練習を通じて、長与さんは以下のような成長を遂げていきました：
- 精神面での成長
- 体力・技術の向上
- 目標に向かって努力することの大切さを学ぶ
- 自己肯定感の回復
空手での経験は、後のプロレスラーとしての活動にも大きく活かされることになります。特に、厳しい練習に耐える精神力や、技を磨く姿勢は、プロレスラーとしての成功につながる重要な要素となりました。
この時期に培った精神力と身体能力は、後のクラッシュギャルズでの活躍や、数々の名勝負を生み出す原動力となっていきます。
長与千種は結婚してるの？
独身を貫いている
長与千種さんは、これまでの人生で結婚をしていません。女子プロレス界のカリスマ的存在として、プロレスに人生のすべてを捧げてきた姿勢が、その選択に表れています。
長与さんは、インタビューなどで結婚について質問されると「プロレスが結婚相手です」と明言しています。これは単なる言葉ではなく、プロレスに対する深い愛情と情熱を象徴的に表現したものと考えられます。
40年以上にわたるプロレスキャリアの中で、練習、試合、団体の運営など、常にプロレスを中心とした生活を送ってきました。その生き方は、多くの女性アスリートにとっても、自身のキャリアと私生活の選択についての一つのロールモデルとなっています。
プロレス一筋の人生
長与千種さんのプロレス一筋の人生は、1981年の全日本女子プロレスへの入門から始まりました。その後、クラッシュギャルズでの活躍、数々の名勝負、そして現在の指導者としての活動まで、常にプロレス界の第一線で活動を続けています。
プロレスへの献身は、以下のような形で表れています：
- 現役時代は1日8時間以上の練習を日課とし、休日も自主トレーニングを行う徹底ぶり
- 引退後も女子プロレス界の発展のために尽力し、自身の団体「Marvelous」を設立
- 若手レスラーの育成に情熱を注ぎ、技術指導だけでなく精神面でのサポートも実施
このように、長与さんにとってプロレスは単なる職業ではなく、生き方そのものとなっています。現在も変わらぬ情熱で後進の育成に携わり、日本の女子プロレス界の未来を支える重要な存在として活躍を続けています。
長与千種は今何してる？
🔴マーベラス次回大会🔴
— マーベラスプロレス Marvelous (@info_marvelous) November 12, 2024
◆11月22日(金）
◆新木場1stRING
◆開場18:30開始19:00
S席8800円
A席6600円
B席4400円
チャレンジ席5500円
※中学生以下無料
※A、B席、高校生・大学生半額
🎥配信チケット3500円
特典付配信チケットあり
🎟️詳細・購入https://t.co/53w8LfCkFx#マーベラスプロレス pic.twitter.com/NX1ZvtmUwy
女子プロレス団体「Marvelous」を設立
長与千種さんは2015年に女子プロレス団体「Marvelous」を設立し、代表として運営を行っています。この団体は、東京・板橋区に道場を構え、若手女子レスラーの育成と興行の開催を主な活動としています。
「Marvelous」の特徴は、基礎技術の徹底指導と体力づくりに重点を置いた育成方針にあります。長与さんは自身の経験を活かし、プロレスの技術だけでなく、メンタル面の指導にも力を入れています。
道場では週6日のハードトレーニングが実施され、レスラーとしての基礎を築くためのプログラムが組まれています。また、定期的に開催される興行では、若手選手に実践の場を提供し、成長の機会を設けています。
現在は後進の育成に力を注ぐ
プロレス界への影響力は健在
長与千種さんは、現役引退後も精力的に活動を続けています。「Marvelous」での後進の育成に加え、各種メディアへの出演や講演活動を通じて、女子プロレスの魅力を発信し続けています。
特に力を入れているのが、若手レスラーへの技術指導です。自身が培ってきた技術や経験を次世代に伝えることで、日本の女子プロレス界の発展に貢献しています。指導方針として重視しているのは以下の3点です：
- 基礎技術の完璧な習得
- 体力・精神力の強化
- リングマナーとプロ意識の徹底
また、「Marvelous」では定期的にファンイベントを開催し、選手とファンの交流の場を設けています。これは長与さんが重視する「ファンとの距離感」を意識した取り組みの一環です。
女子プロレス界のレジェンドとして、その影響力は現在も健在です。多くの現役レスラーが長与さんを目標として挙げ、その指導を仰いでいます。長与さんの存在は、日本の女子プロレス界における重要な礎となっているのです。